第60話 圃稚鴉(ぽちがらす)

圃稚鴉の正体は鴉天狗でした。
そしてその姿は誰もが見ることができるわけではありません。
小柿藩剣術指南役、包裏櫨貴(つつみうちはぜき)も見えない一人です。
彼は殿様を殺した玄さんが城から飛び降りて自殺したと勘違いをしました。

これと空飛ぶ鬼の形相、玄さんの目撃話が相まって
殿殺しの玄、そして香澄は「殿殺しの娘」と言われるようになったものです。

玄さんは顔を失うことで言葉で説明することも、
いや顔のないその姿が実は玄さん自身であることすらも説明するすべを失い、家族に迷惑をかけまいと遠巻きに家族を守ることになります。
しかしその首には「義」の文字。
仇討ちの誓いであり、自らの無実を訴えるかのような文字です。

無実の罪。
これはもっとも世の中でひどいではないかと思います。第1部のテーマは仇討ちそして無実の罪です。

さて物語はその仇討ちの話へ・・・?




(おまけ)三原散歩
8月11日にふらっと広島県三原市へ行ってきました。
三原というと名物は「たこ」「だるま」「やっさ祭り」・・
ですが、このやっさ祭りというのを見たことがなかったので一度行ってみようと思ってのぶらり散歩です。
ちょうど仕事で三原にちょっと縁があることと、今年は三原城築城450年ということもあり、JRに飛び乗りました。


上は以前に道の駅からジオラマモードで撮影した三原市。

広島駅の改札を抜けると三原行の汽車が発車までわずか3分ほど。慌ててホームへ駆け下りて飛び乗ったのがちょっとした勘違いで、山陽本線なら1時間少しでいけるところを海岸線沿いの呉線に間違えて乗ったため、到着まで倍の2時間半もかかってしまいました。
その代りのんびりと読書&窓外に広がる瀬戸内の多島美を楽しむことができました。癒しの時間です。

三原駅はちょっと変わっています。
駅のホームが城の城壁上に建っています。

上の写真で石垣の上にホームが乗っかっているのがわかるでしょうか。


三原城を築城したのは毛利元就の3本の矢の内の一人、小早川隆景。
この城は海底から石垣を積み上げ、満潮時には海に浮かんでいるように見えることから「浮城(うきしろ)」とも呼ばれる。
駅前には築城450年の展示会があり、この町ややっさ祭りの成り立ちなど感じることができた。

やっさ祭りは11日、12日の二日間。
初日であるこの日は子供祭りが中心で、メインは翌日だったよう。ただし12日にはディズニーが来る!そうでのんびりした前日に来てよかったなって思った。

路地で順番待ちをする踊りの人たちをすり抜けて
夫婦でやられている鉄板焼き屋さんに入った。
三原は3つの大きな企業で栄えそうだが、当時に比べると元気はないとか。
港町の魚と地酒を楽しんだ。

珍味、カメの手も注文したのだけれど、説明を聞かずに食べてしまったので取り除くべき鎖帷子(くさりかたびら)のようなジャリジャリとしたガワまで最初たべてしまった。

ほろ酔い気分で帰りはちゃんと山陽本線に乗り込み、
広島市内のBARに飛び込んで数曲歌ってから帰宅。
たまには乗りででかけるのも良いです。
(ここのところ作品づくりが中心だしね)


散歩の伴本:本当は嘘がない「古代史」
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