第17話 剣術指南、3年の行

3月27日。
今回もメインは、15年前の物語。

前回に続いて”人を得る”お話です。
今回は太公望の逸話を思い出させます。
かつての中国のお話し、後の文王は猟に出かけた。
その日の占いでは「この日、人物を得る」という。そうして魚釣りをしている太公望、のちの名軍師と出会ったという。

殿さまが出会ったのは百姓の子、田螺。
彼は大木への1日1000回の打ち込みをなんと5年も続けていた。
その田螺を殿様に引き合わせるため玄さんは鷹狩を計画した。
1日1000回の打ち込みというのはかつて読んだ小説人斬り半次郎こと桐野利秋をモデルにしています。
半次郎は幕末の薩摩藩士。その小説の中で、半次郎は毎日立ち木への打ち込みを続けます。

以前に鹿児島を旅した際に示現流の道場を訪ねビデオ展示を見ていると小さな木へ打ち込みをする映像もありました。もしかしたら小説はこのようなシーンを参考にしたのかも、なーんて想像しました。

この話を描いている最中に朝の情報番組で榎本喜八という伝説のバッターを取り上げていた。彼はまさに1日1000回の素振りをしろと言われたその言葉を真に受けて実行した人だったとか。
玄さんと田螺のいつわそのもので、このタイミングでTVをやっていて、たまたまその番組をチャンネル変えたらやっていたことにとても驚いた。

けど、作品を作っていいる最中と旅に出ているときにはこういった偶然がよくおこる。

さ、第1章 顔の無いヒーローはここまで。
物語は第2章へ突入します。
(今のところ、第1部風編は3章構成になるのではないかと思っています。)

まだ第2章の物語構成はようやくパーツがかたまってるけれど本筋はまだドロドロとした状態。
不安を抱えたままスタートを切ることになりそうです。
(第一部は描き始めの時はまったく白に近かったからまだましかも)

 
 戻る TOPへ