オリジナル長編マンガ 和んだふるたい夢
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第191話 その男、清風につき
10カ月の間を挟んでようやく芭蕉一行の物語を描くことができました。190話で舌を盗まれた曽良さん。
読んでいただいている方が覚えていただけているかちょっと不安になりながら描きました。
(1年前に読んだマンガて覚えていないですよね、なかなか)

物語の舞台は山形県尾花沢。
以前旅で訪れた際に、芭蕉・清風歴史記念館を訪れました。
芭蕉と曽良さんはここ尾花沢では地元の商人、鈴木清風宅を訪れています。尾花沢には10日滞在しましたが、ちょうと地元の名産、紅花のシーズンであったため多忙の清風宅を遠慮し、内7泊は、歩いてすぐの養泉寺に身を寄せました。

下が芭蕉・清風歴史記念館です
芭蕉・清風歴史記念館
資料館の展示を見てびっくり。
この家の主、鈴木清風はただ者ではない!

逸話は和夢191話の中でもざっくりと紹介しました(いや紹介したくなる)が、相当な人物だったと思います。
吉原の遊女の実態を知って三日の休みを与えた・・とだけ聞くと美談だけがクローズアップされますが、彼は商人であり、それだけではなかったと思います。

1)イメージアップ広告
  紅花の相場をあげて売りさばいたことを心良く思っていない人もいる中  で、遊女を休ませ評判をあげる効果。
2)顧客獲得戦略
  吉原の遊女は化粧や着物のきる加工された紅花の最終消費者であ   直接、顧客へのプロモーションであったのでは
3)一般の客へのPR戦略
  当時の花魁はファッションリーダーであり、その花魁の口紅や着物は  女性達のあこがれの存在でありその花魁・遊女たちが使っている紅花  というPRになる

三方良しにして広告という言葉が無い時代に一人勝ちとなるような効果を発揮したのではないでしょうか。

そんな人物ならば黒鶴の部下とはいえ、百人将棋の一人、香車くらいは手玉にとるのは簡単だろうし、ましてや舌のからくりを見抜くことなどたやすかったのではないだろうか・・清風を描く中で自然と物語はこのような展開に進んでいくことになりました。

当初は曽良さんの舌がばらまく嘘がどう芭蕉たちを翻弄させるだろうか・・・と考えていたのですが、このような形になったことはこれはこれで良かったかなと思っています。(あっさりしすぎている気もしましたが)

個人的には嘘に翻弄するってあまり好きな話ではないし・・
(実体験での嘘で翻弄されるという体験からもあまり作品にはしたくないという感じでしたし。その分、嘘をテーマにした「嘘でしか動けないコイツ」という別刷り作品を一度描きあげましたし・・)


句会にすずめを招いてしまうあたりも清風らしくていいんじゃなかなと感じています。

旅での出会いが物語を膨らませてくれるというのはとても描いていて楽しいですね。
ただ旅をしている時にはまさか鈴木清風を描くなんて考えてもいなかったのでもう少し写真とか撮っとけば良かったかなと感じたりもしています。
(旅コンテンツを意識して写真はとっています)

下は芭蕉・清風歴史記念館の芭蕉像です。
192話は尾花沢の続きです。

芭蕉像 尾花沢

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