第3話 黒無垢の女 |
3月22日。 白木蓮(はくもくれん)はツボミが一番美しい。しかももうすぐ花が開きそうな時が一番美しいと思う。 夏には日差しをやわらげてくれた大きな広い葉を全て落とし、春には溢れるばかりに白い花を咲かせる。 その全ての花は空を向いている。 なんとも潔い花だなって思う。 会社の裏に小さな三角スペースがあってそこに一本の白木蓮が毎年花を咲かせていた。 両脇を道で挟まれたそのスペースには遮るものがなく、両側の道へその枝を広げた白い花を見るのを楽しみしていた。 仕事が忙しすぎて、ここ数年見ていないけれどまだ花を咲かせているのだろうか。 広島中心街を南北に走る中央通り。 これは昼の繁華街と夜の繁華街を両断している。 その両脇に白木蓮が立ち並んでいる。 木蓮の花の命は短い。限られたその期間にとおった人しか気づくことはない。 この白い花と対比するかのように今回敵キャラを登場させてみた。 それぞれを黒色を連想させるキャラクターとした。 黒無垢の女は黒アゲハをモチーフとしている。 おこげとおはぎはそれぞれ食べ物にまつわる黒色。 ちなみに硯(すずり)は”石偏に見る”と書くことから遠隔透視の能力とした。 さあて、少しずつ物語は進んでいく。 物語の中にはこの後の伏線へのつながるものもあり、作者的にはどんどん先の話を描きたいってエンジンがかかってくるようにも感じる。 さあ、楽しく旅を続けよう! |
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