スピンオフストーリー04 黒無垢の女、その最期

スピンオフストーリー4です。
3はとりあえず欠番です。
石牢の中でとんぼが思い出した少年期の話を3としてまとめたいと考えているのですが、まだ描きたい舞台と登場人物のイメージがあるだけでいつになるやら…です。

実は第1部のテーマは仇討ちです。
主君を命を絶たれ、妻や娘が都の殺しの家族として迫害されている一柳斎 玄の仇討ちがテーマとなっています。
いよいよ第3章は第1部のまとめとするつもりなので、その前に改めて「仇討ち」をクローズアップするため、厄子の仇討ちをスピンオフストーリーとして取り上げてみました。(2話から4話の話なのでちょっと間が空き過ぎな気もしますが・・・。)

ここで思い出す四字熟語が臥薪嘗胆(がしんしょうたん)です。
中国の古語で、仇討ち、復讐の話を忘れないという意味です。
人は忘れる生き物。
復讐の誓いを忘れないために痛い薪(まき)の上で寝続ける。あるいは苦い胆(きも)を毎晩なめ続けて復讐を忘れないという意味です。
厄子にとっての薪や胆は恋人の命をうばった偉架槌(いかづち)。
彼女は心臓に突き刺さった偉架槌をあえて抜かず、
1か月もの間、眠ることもできないような痛みに耐え続けて復讐のチャンスをうかがいました。
チャンスがやってきたのは黒猿がおこげを連れていき、黒無垢の女が一人になった、その時でした。
白対黒の婚礼衣装を演出として対照的に使ってみました。第2部の最後のカットが与久作と絹姫の婚礼シーンだったのでなんとなくつながり的にも印象的だったのでは?っと思ってます。

日本人は3大○○・・・が好きなような、
日本三景、日本三大奇襲戦・・・など。
仇討にも江戸三大仇討ちがあります。
喧嘩両成敗の江戸の世において、
仇討ちは制度として許されている私刑でした。
その中でも忠臣蔵はなんどもTV放映される日本人のアイデンティティにとってしみついた物語のように感じます。
個人的には復讐劇というのは暗い影がつきまといあまり好きではないのですが、江戸時代の物語を手掛けるうえで仇討ちはどうしても取り上げるべき話だと思いました。

11月に神戸のコミケに参加する前日に赤穂浪士で有名な播州赤穂(ばんしゅうあこう)に立ち寄りました。仇討ちの物語を描く前に立ち寄ってみたかったからです。(詳しくは旅コンテンツにて)

そうそう、かつて訪れた三大仇討ちの一つ「鍵谷辻の仇討ち」の舞台となった伊賀の地、そのすぐそばの蕎麦屋はおいしかった。(永六輔さんも絶賛したそう・)
 
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