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蟲愛ずる姫
蟲愛ずる姫
堤中納言物語の10篇の物語の一つです。

とても美しいけれど、小箱で虫を飼い毛虫を手に乗せて観察することを楽しみとする姫がおりました。

まわりの人達はそんな姫をたしなめ、また他の姫と同じように眉をそろえ、お歯黒をすすめるのですが、虫も自然のままが一番美しいこの毛虫もやがて空へ羽ばたくのです。といって逆に説教をしてとりあわない。

そんな姫の噂を聞きつけた右馬佑は
様子をうかがいに行き、よくできたつくりものの蛇を袋へ入れて姫にことづける。
女房どもは驚くが姫は平然としている。

これは面白いと右馬佑は今度は女装し、たくさんの毛虫で姫をおびきだしてもっとみてやろうとする。
しかし姫はそんなことおかないなし、周りに人に見られるとたしなめられても全然関係なく毛虫を捕まえると着物のたもとに入れる始末。

右馬佑は眉を抜き、お歯黒をするばたいそう美しいのにと残念がり、文を渡すが、姫の文はつれない。
しょうがなく右馬佑は
「あなたのまゆが毛虫のよう・・」
という嫌味(負け惜しみ?)のような文をおくって館を後にする。

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